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築山山水の法 [歴史]


  
真山天地人之図.JPG  
  真山天地人の図

行の山水肉山ノ図.JPG
  行の山水肉山の図

真ノ山水立石ノ図.JPG  真の山水立石図


山水の法1.JPG
  山水の法1


  山水の法
一、山水は正面の奥に立る石あり、之を主人守護石と
  云う、此石を定め、後に山を築き木を植るなり、此れ守護
  の下に蓮花石を立つべし

一、瀧口に石を立つる、之を瀧副の石と云う、其左右に童子
  石を立つべし、或は八つ、四つ、二つなるべし、之瀧副石の
  下の石なり
    右何れも石の名なりは作者の好に依るべし

一、山水の中央に嶋を作るあり、之蓬莱山を表する也
  故に其形亀の如し、石は鬼頭石一つ、両石、両脚
  石、尾崎石と甲石に以上の六石を之立方大事
  なり、必ず松を植るべし、若し木を植ざる時は亀形の石を
  立つべし

一、山水の前の両端には必ず二神石を立つべし、之を二柱石
  と云う、石の形に依り二つ、又三つ石を副る事、作者の好み
  に依るべし

一、瀧口石に水受の石、渓副の石、波分の石、水分の
  石あるべし、山水の内にて瀧口のあしらい別て大事也

一、山水に橋を掛る事、河裾又は中ほどに有るべし瀧口に橋
  掛る事なかれ、但し大なる山水にて瀧の上に高山など有
  て之に枯木等を以て渡す事有り、之は猿など傳ひ行く道
  の心に用ゆるなり


山水の法2.JPG
  山水の法2

  
一、河裾を水吐とも云うなり、瀧口南に有らば水吐は北也
  河すそを従多流とも云うなり

  河裾の石の名は

   一、水除の石    一、落水石

   一、浪受の石    一、塵流石、

   一、木の葉返の石  一、水門石  等なり

一、山水の両端に必ず嶋二つ有り、端近き嶋を客嶋と
  云う、之に客拝石、對面石、履脱石、鴎宿石、
  水鳥岩有り
  同じく奥にある嶋を主人嶋と云う、之に安居石、腰息石、
  遊居石等なり

一、主人守護石の前には必ず礼拝石あり、石の大小に依り
  一つ二つ三つも有り、此守護石は本名三尊石と云う
  此石の背に山あり、若し山を用ひずは木を植べし

一、左右に限らず奥の高山には山頂石、山腰石、嶺脚石、
  慶雲石、霧隠石、晴月石、月陰石(月呑石とも云う)等なり
  を呑影石とも云う、之は西山に用ゆ、吐影石之は東山に用ゆ
  山の頂に有るべし

一、諸石の多少は真草行に依るべし、山間に木の下に定座
  石あり之別て秘石なり

一、石橋には必ずハシ挟みの石四つ有るべし、又所に依りては三つ
  二つも有り、水際の石を遊魚陰と云う、下の透たるを
  立ること習ひなり
 

山水の法3.JPG
  山水の法3


  立石名の事

   一、鴛鴦石(水中に有り)  一、水禦石(河すそに有り)

   一、瀧副石(峯に有り)   一、垂釣石( 同上 ) 

   一、盃帯石(嶋に有り)   一、筆架石( 同上 )

   一、怒涛石(水先に有り)  一、硯用石(路又は嶋に有り)

   一、虎豹陰石(谷に有り)  一、虎渓石(山路に有り)

   一、豹陰石(山路に有り)

  立石陰陽の事

一、高く立たる石は陽なり、瀧口は水を主とするに依りて陰石也
  之を高く瀧口の石を立る事陰陽和合の心なり
  横なる石は陰なり、草木の類も竪を陽とし、横を陰とす
  不立不臥の石は陰陽和合の石也
  又川除の石は多数あり共名石の数には入らず

一、山水嶋の名の事は吹上の嶋、浪寄嶋、打寄嶋
  中嶋、客人嶋、主人嶋、山下濱、洗浪
    右嶋毎に石あり

一、大なる山水の山陰、谷間、田圃などの心有るべし、又川裾に
  用る事も有り

一、汐濱の心を用ること、此濱に立石すべからず、汐干潟には何
  れも石なければ也、又入江の体にする時は芦、杜若、菖蒲
  などを植るなり
 
山水の法4.JPG
  山水の法4 


  樹を植る心得の事

  一、棕梠、南天、五葉、松、柏、槙
   
     嶋に此類を用るべし

    杉、枇杷、檜、白檀、椿、柊、石楠花
    密柑、桒

     右何れも常磐木類は峯の物とす、築山なり平地なり
     此其植る場所を山嶺と心得べし

    芝蘭、紫苑、菊、ギボウシ、芍薬、等の類は
    嶋、谷間に用ゆべし
    クコ、葛、榧、楓、女郎花

     右は山に有るものと心得て植るべし 

    藜、芦 (嶋、山河に有なり)
    花丁子、栂、藤、百合  山なり
    蓮  沢なり

     其外名木名草は格別なり

    大概故實是等を以て考知べし

一、坪の廣狭あり、此左の図を考て地取を為し作るべし
  真草行に依り山も嶋も無き事有り横廣なり共
  奥深なり、此法に依り品格を趣向して作るべし


行山水立石ノ図.JPG
  行山水立石の図

庭坪地形取ノ図.JPG
  坪庭地形取の図

山水行中の草.JPG
  山水行中の草

草ノ山水.JPG
  草の山水

草の山水2.JPG
  草の山水2

草ノ草肉山.JPG
  草の草肉山

山水.JPG
    山水

草ノ草山水.JPG
  草の草山水

  都て石数の少き時は二神石を少し上て立ること習なり

一、山水造り方、公家、武家、寺社何れも等しと雖も
  武家の山水には九字を表するの習あり、石を四竪
  五横と立るなり、投掛たる石、三角なる石、片下りたる石、
  戸板の如き石等は四竪五横の石には非ず、是等は副石に
  用ゆべし、竪たる石四ツ、平なる石五ツなり、不立不臥石は
  竪横石に非ず

一、寺院の庭にも四竪五横を用ゆべし

呂律ノ事、九字十字ノ図.JPG
  呂律の事、九字十字ノ図

山水五大の事.JPG
  山水五大の事



一、律石は能く据りたる石を云う、若し欠けたる所には添石をして
  立べし、又脇の方にも石を副べし、威儀具足石を以て
  律とす
  呂は一つ宛二カ所三カ所に間五寸六寸或は一尺程退て切々に
  立置が呂なり、律は吉にして陽なり、呂は陰にして凶なり
  然し共陰陽の二つなれば万物出生する故に山陰などに立る
  なり

一、寺院等の山水に一つ秘事あり山の麓に木を植て
  其下に平なる石を居るなり、之を上座石と号す、客人嶋
  主人嶌に此石有るべし、有所最も大事なり、別に一所を
  構て居えべし

  山水五大の事

一、山嶋は地なり 海河は水なり 花樹は火なり
  諸木諸草枝葉の色空なり

  山水相性の事

一、新たに庭を造る時は其主の性を尋ぬべし

  木性は  東に山ありて西より向ふ吉
  
  火性は  南に山ありて北より向ふ吉

  土性は  中央定住なれば随意とす

  金性は  西に山ありて東より向ふ吉

  水性は  北に山ありて南より向ふ吉


 
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上井壱雄

ブログ拝見致しました。伏見稲荷安鎮證書を調べている者でございます。誓詞は初見にて引用文献の御許可が頂けるのでしたら改めてご連絡させて頂きます。
福井県大飯郡高浜町宮尾四〇―五
 上井 壱雄 拝
by 上井壱雄 (2020-01-14 13:56) 

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